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と魚のよろず帖

こころの本。2冊

kokoromoyou 伊藤 明 著
「中年期のこころ模様」(かもがわ出版)
1600円(税別)

この本には、聞きなれない言葉ですが「認知療法」というのが載ってます。
「うつ」の治療に用いる心理療法で、アメリカのべック博士と言う方が60年代に提唱したものです。
この本には、伊藤先生がつくられた、ストレスに弱い〈心のくせ〉という表があって…

  1. 他人との比較・競争
    自覚しないうちに競争関係に入ってしまう。他人の成功の課題評価、自分の過小評価につながる
  2. 全か無か(0か100か)
    完全主義。完全を求めるが、少しのミスでも完全な失敗と考えてしまう。全否定につながる
  3. 「すべき」思考
    義務感が強く、すぐ「○○すべきだ」と考えてしまう。そうしないと罪の意識をもつ。また、何でも自分のせいだと考える
  4. 悪い方向ばかり考えてしまう
    a)一般化のしすぎ。一つ悪いことがあると「世の中すべてがこれだ」と考えてしまう
    b)一つの悪いことにこだわりすぎる。たとえ他によいことがあってもそれを見ようとしない
  5. 結論の飛躍
    根拠ないのに悲観的な結論を出してしまう。将来を悪く決めつけてしまう。「自分の人生にはもうよいことがない」など
と、いうものなのですが、あなたも「疲れたな…」とか、「ストレス溜まってるかな?」と感じたときに、この表で自分を振り返ってみて、自分の〈心のくせ〉=悪循環を断ち切って、らせん状の思考へ軌道修正してみてはいかがでしょうか?
1は著者の診療経験から起こした項目で、欧米の「認知療法」の本には出てこないそうです。(心のくせと言う呼び方も、伊藤先生オリジナル)

もう少し詳しく知りたい方は、ディープな京都と認知療法も参考にしてみてね。


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心の傷を見つめて 上村 順子 著
「心の傷を見つめて」(新日本出版社)
1500円(税別)

この本は、トラウマ…PTSDのことをわかりやすく書いてます。
ついつい「トラウマ」という言葉を、日常の中で軽く使ってますが、「PTSD」はそんな簡単なものでは無いようです。
この本では、著者自身の毎日の診療の例を用いて、「家庭内暴力」「摂食障害」などがどのように生まれるのか、そしてそれらを引き起こした“心の傷”をどのように癒していくのかが、書かれています。

この本は、
  • [「心の傷」を見つめて
  • 人と人との境界
  • 思春期の摂食障害
    という三つの章からなってます。


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